オンライン(Zoom)にて、2022年2月21日に、2021年度第5回スキルアップセミナーを開催致しました。スキルアップセミナーは、ASIF会員の若手技術者スキルアップを目的として、幅広い技術を習得して頂くためのセミナーです。
今回は、「PoC(Proof of Concept)に最適!安・早・易の環境活用事例」と題して、メジャーなシングルボードコンピュータであるRaspberry Pi(略称ラズパイ)とM5Stackの活用に関連する事例を解説して頂きました。
セミナーへの参加者は、149名(非会員3名を含む)でした。
システムの構想段階において、新しいアイデアや構想の実現可能性を確認するPoC(Proof of Concept:概念実証)に、ラズパイを活用する事例が増えています。 本講演では、ラズパイを含むシングルボードコンピュータを活用したPoCの開発経験を基に、「ラズパイを使ったPoC開発をどのように進めたら良いか?」という疑問にお答えする内容を解説して頂きました。 また、自動車分野のOSS(Open Source Software)であるAutomotive Grade Linux(AGL)についても紹介して頂きました。
車載ソフトウェアプラットフォームであるAUTOSAR Adaptive Platform(AP)は、AUTOSARが仕様を策定し、リファレンス実装(Demonstrator)を公開しています。 本講演では、このDemonstratorを用いてラズパイ上にAPを構築し、サンプルアプリケーションを実際に動かしながら、AP用アプリケーション開発の理解を深める方法を紹介して頂きました。
M5Stackは、ESP32チップを搭載し、Wi-FiやBluetooth、バッテリ、LCD、ボタン、GPIOなどの周辺機器を小さな筐体に詰め込んだ製品です。 本講演では、講師の研究テーマである「仕掛学(しかけがく)」(「ついしたくなる仕掛け」でヒトの行動変容を促し、結果的に問題を解決する)の実証実験において、M5Stackを活用した「仕掛け」の実装事例を紹介して頂きました。
近年、自動運転、コネクテッドカー、MaaSなど、車両の情報を収集してサービスや分析に活用することが盛んに行われています。 車両制御に関する様々な情報は、CANネットワークで通信されています。 本講演では、ラズパイを使ったCAN情報収集の実験として、車両(簡易シミュレータ)、ラズパイ(エッジコンピュータ)、クラウドを接続して、車両情報をクラウドに収集するシステムの事例を紹介して頂きました。